海外との取引があるフリーランスがカード選びで失敗しやすい理由
フリーランスや副業で海外クリエイターに依頼したり、海外サービスを利用したりするケースは年々増えています。動画編集や3Dデザイン、翻訳、Web制作など、海外フリーランスを活用するとコストを抑えながら専門的なスキルを得られるため、活用する人が増えています。また、オンラインツールやAIサービスも海外企業が提供するものが大半で、支払いの多くが海外決済になります。
しかし、海外送金や海外決済を頻繁に使うフリーランスの中には、
「なんとなく手持ちのカードで払っているだけ」というケースが意外に多いのが現実です。
実際には、海外決済の多い働き方には“向いているカード”と“向いていないカード”が明確に存在します。選び方を誤ると、余分な手数料や高額な為替コストを支払ってしまい、本来の利益が圧迫されてしまいます。
海外決済で起こる典型的なトラブルとその背景
海外取引の多いフリーランスが直面しがちな問題は次のとおりです。
外貨手数料(海外事務手数料)が高く利益を削ってしまう
多くのカードでは海外利用時に1.6~2.2%前後の手数料がかかります。
月30万円の海外決済があれば毎月5,000円近くムダなコストが発生します。
為替レートがカード会社によって大きく違う
VISA・Mastercard・AMEXはそれぞれレートが異なり、カードを変えるだけで年間数万円の差が生まれます。
海外サービス側の決済トラブルが起こりやすい
海外のサブスクは、カードブランドごとの相性がはっきりしています。
利用できないカードがあったり、認証が通らないことも珍しくありません。
海外送金手数料が高く、外注費を送るほど損する
外注先が海外フリーランサーの場合、PayPal、Wise、カード払いなどの手段がありますが、カードによっては「国際取引手数料」が加算され、支払総額が大きく膨らみます。
法人化している場合、経費管理がしにくいカードがある
海外支払いが多いと明細が煩雑になるため、クラウド会計と相性の悪いカードだと管理コストが跳ね上がります。
このように、海外取引が多いフリーランスが適切なカードを選ばない場合、利益・管理・リスクのすべてに悪影響が出てしまいます。
海外送金や海外決済が多い人が選ぶべきカードの方向性
海外との取引が多いフリーランスには、選ぶべきカードが明確に存在します。具体的には以下の特性を持つカードが理想です。
外貨手数料が低いカード
1.5%→1.0%など、わずかな違いでも年間換算では大きな差になるため最重要ポイントです。
海外決済に強い国際ブランドのカード
特に以下の2つは海外Webサービスと相性が良いです。
- VISA
- Mastercard
AMEXも良いですが、相性は利用するサービスによって差があります。
レートが比較的安定しているカード
同じドル払いでもカードによって最終請求額が違うため、海外利用の多い人ほど“為替レートの癖”が重要になります。
海外事務手数料が実質的に安くなる特典がついているカード
ビジネス向けカードには海外手数料の優遇があるものもあります。
海外送金サービスと相性が良いカード
PayPal、Stripe、Wiseなどの利用が多い場合、それぞれの決済と相性が良いカードがあります。
不正利用対策が強く、サポート対応が早いカード
海外決済は不正利用のリスクも高いため、サポートの質が重要です。
海外利用に強いカードの特徴と、なぜ必要なのか
ここからは“なぜ海外取引向けに適したカードを選ばないと損をするのか”を、もう少し踏み込んで整理していきます。
海外手数料は「利益直撃のコスト」であり積み重なるほど重い
外注費5万円
サブスク2万円
AIツール1万円
広告費3万円
合計11万円
これを毎月海外決済している場合、手数料2%で月2,200円。
年間だと26,400円です。
1つのカードを変えるだけで大幅に削減できます。
レートの差が年単位で5万円以上変わることもある
為替レートは
AMEX → やや高め
Mastercard → 安め
VISA → 中間
といった傾向があります。
同じ1,000ドル支払いでも
AMEX:152,000円
Mastercard:150,500円
のように明確な差が生まれます。
年間で数十回支払うなら、カード選びの差は“業務委託料1件分”に相当するレベルになります。
海外クリエイターが使えるブランドが決まっていることがある
Fiverr、Upwork、Freelancer.com などのサービスでは、VISAとMastercardの通過率が高いです。
AMEXだと支払い拒否されるケースもあります。
サブスクでも同様で、
Notion、Canva、Figma、ChatGPTなどはVISAとMastercardの相性が良いです。
海外送金サービスはカードの相性で手数料が変わる
特にPayPal、Stripe、Wiseはブランドによって課金フローが微妙に異なり、
- 手数料
- 到着額
- 決済通過率
に影響が出ます。
そのため、海外での支払いが多い人は「サービスごとに強いブランド」を理解する必要があります。
海外決済の不正利用は“発見が遅れやすい特性”がある
海外ECや海外サブスクは、日本のECよりも不正利用の報告が多く、
- 深夜に突然請求がくる
- 微少額を何度も請求される
などの被害が起こりやすいです。
サポートの弱いカードだと返金まで時間がかかり、メンタル的にも負担になります。
そのため海外利用が多いフリーランスほど、強固なセキュリティと迅速なサポートを備えたカードを選ぶ必要があります。
海外利用者が重視すべき項目をさらに深掘りした解説
海外決済を多く行うフリーランスには、通常のクレジットカード比較では語られない“本当に重要なポイント”があります。以下の項目を理解しておくことで、カード選びの失敗を防げます。
海外事務手数料(外貨手数料)の実質コスト
海外決済では、
為替レート(国際ブランドレート)+海外事務手数料
が請求額となります。
この「海外事務手数料」はブランド・カード会社ごとに異なり、以下のような差があります。
- 1.6%:平均的(VISA/Mastercardの一般的なライン)
- 2.0%:少し高い(AMEXに多い)
- 0%:ごく一部の特典(特定カードのみ)
外注費が高額な人ほど、この差は年間で大きく効いてきます。
付帯保険・不正利用対策が海外利用ではより重要になる
国内利用中心だと軽視されがちな「不正利用対策」。
海外決済では突然の不正利用が起こる確率が一気に上がります。
- 海外EC
- 海外サブスク
- 海外のマーケットプレイス
- 外貨決済API
これらは日本よりもチェックが甘いケースがあり、カードのセキュリティ能力が結果を大きく左右します。
サポートの質が高いカードほど早期対応が可能で、損害を最小限にできます。
実際の海外利用シーンから見る「カード選びの間違い」と「正解」
次は、フリーランスが実際に遭遇する海外取引シーンを例に、適切なカード選びを解説します。
海外クリエイターに外注するケース
Fiverr、Upwork、Freelancer.comなどで支払いを行う場合、
VISAとMastercardが圧倒的に通過率が高いです。
AMEXは国によっては決済拒否されることもあります。
特に途上国のクリエイターはAMEX非対応が多く、プロジェクト進行が止まるリスクがあります。
そのためこのケースでは、
- VISA
- Mastercard
をメインカードにするのがベストです。
海外サブスクを複数利用しているケース
例えば以下のようなサブスクを多数利用する働き方であれば、カード選びが収益に直結します。
- Canva
- ChatGPT
- Figma
- Notion
- CapCut
- Adobe(海外引き落とし扱い)
- Dropbox
- Google Workspace(海外扱い)
これらは Mastercardが最も安定している 傾向があります。
レートも比較的良いため、海外サブスクの利用額が多い人ほどMastercardが有利です。
国際決済代行サービスを使うケース
PayPal・Wise・Stripeなどは、国によって決済ルールが異なり、ブランド相性も異なります。
- PayPal → VISA/Mastercardが最安
- Wise → VISAの方が通過率が高い傾向
- Stripe → Mastercardが比較的安定
海外売上があるフリーランサーにも関係するため、カードブランドの相性は軽視できません。
外貨建て広告費を支払うケース
Facebook広告・Google広告・TikTok広告などは外貨建て請求になることがあります。
広告費が大きい場合、
外貨手数料1.6% → 2.0% への差は年間で数十万円レベルになります。
広告費用途では「外貨手数料の低いVISA/Mastercard」が必須です。
海外利用で失敗しないために取るべき行動ステップ
海外送金・海外決済が多いフリーランスに向けて、カードを最大限に活かすための行動ステップを整理します。
海外決済を月単位で把握する
まずは、次の項目を洗い出します。
- 月あたりの海外支払総額
- 外注費の海外比率
- 海外サブスク数
- 国際送金回数
- 利用しているブランド(VISA/Mastercard/AMEX)
これで必要な限度額とブランドが明確になります。
海外事務手数料の差を把握する
カードの海外手数料は「1.6%」が基準。
そこから高いのか、安いのか判断します。
手数料はカード会社サイトでは「海外事務手数料」という名前で記載されています。
目的別にカードを使い分ける
海外決済の多いフリーランスは「1枚で完結」はほぼ無理です。
以下のように使い分けが合理的です。
- サブスク → Mastercard
- 海外クリエイターへの支払い → VISA
- 高額決済(広告費など) → 外貨手数料が低いカード
- 事業全体の経費 → ビジネスカード
カードは役割分担させた方が、資金繰りも税務も安定します。
会計ソフト連携を必ず確認する
freee・マネーフォワードと双方向連携できるかどうかは非常に重要です。
海外明細は件数が多くなりがちで、
CSV取り込みだけだと時間がかかります。
カード自動連携の有無は負担が大きく変わります。
海外利用に強いおすすめクレジットカード(フリーランス向け)
ここからは実名で紹介します。
※中立的な情報としてメリット・デメリットをバランスよく記載します。
三井住友ビジネスカード for Owners(VISA/Mastercard)
海外サブスク、外注費の支払いにもっとも相性が良い“万能型”のカード。
メリット
- VISA/Mastercardで海外通過率が高い
- レートが安定しており、海外手数料も比較的低い
- freee・マネーフォワードと完全連携
- 限度額が上がりやすく、外注費が増えても対応できる
デメリット
- AMEXほどの特典はない
- 海外手数料が最安ではない(中間レベル)
海外決済の多い個人事業主の“業務用メインカード”として最適。
Wiseデビットカード(Mastercard)
フリーランスの海外決済ではほぼ最強クラス。
※クレジットカードではなくデビットですが、海外利用メリットがトップクラスのため紹介。
メリット
- 為替レートが圧倒的に良い
- 外貨手数料が最小限
- 海外決済通過率が非常に高い
- Wiseアカウントと併用することで海外送金が激安
デメリット
- デビットのため立替払いができない
- 高額決済では残高管理が必要
海外外注・海外サブスクが多い人は“サブカード”として必携。
アメックス・ビジネス・ゴールド
AMEXは海外利用に強そうに見えますが「外貨手数料が高い」点に注意が必要。
ただし、外注費が高額なプロジェクト型の人にはメリットがあります。
メリット
- 不正利用対応が最強クラス
- サポートの質が高い
- 高額決済が通りやすい
- 法人/事業主のステータス性が高い
デメリット
- 外貨手数料が高め
- 国・サービスによっては決済拒否されることも
海外特典やサポート力が欲しい人向け。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス
マイル目当ての人に非常に強い1枚。
メリット
- マイル換算レートが高く、海外決済で効率的に貯まる
- Mastercardも選択可能(VISAは不可)
- freee連携に対応
デメリット
- 年会費がかかる
- 海外決済時に最安手数料ではない
海外利用しつつマイルも稼ぎたい人に向いている。
海外利用に強いカード比較まとめ
| 目的 | 最適カード | 理由 |
|---|---|---|
| 海外サブスクが多い | Mastercard(特に三井住友 or Wise) | 通過率・レート・安定性が高い |
| 海外外注費が多い | VISA / Mastercard(ビジネスカード) | 決済拒否が起こりにくい |
| 高額プロジェクトが多い | アメックス・ビジネス・ゴールド | 高額決済に強くサポート力が高い |
| 為替コストを最小化したい | Wiseデビットカード | レートが最も良く、外貨手数料が激安 |
| マイルを貯めたい | セゾンプラチナ・アメックス | 海外利用でポイント効率が高い |
海外決済が多い人が最終的に押さえるべき判断基準
カード選びの最終判断は以下のポイントに落ち着きます。
- 月の海外決済額はいくらか
- 外注先の国・地域はどこか
- サブスクの数はどれくらいか
- VISA/Mastercard/AMEXのブランド相性
- レートと手数料の合計(実質コスト)
- 会計ソフトとの連携
- セキュリティ・サポートの質
- クレジット vs デビットの使い分け
この基準で選べば、海外取引のストレスが一気に減り、コストも抑えられます。

